DIE WITH ZERO ~人生が豊かになりすぎる究極のルール~

生活

2020年、働き方が外的要因によって大きく変わった。在宅勤務なんて絶対に無理だと思われていた職種においても、今では在宅勤務が当たり前。職場においてはオフィスの縮小、連絡ツールの変化があり、会社の飲み会の頻度は激減した。それに従って通勤時間はプライベートの趣味に、付き合いの会食が家族との自宅飲みに代わるとはほんの数年前までは考えられなかっただろう。仕事の効率化に伴って残業時間も減り、数年前まで当たり前だった社畜生活を振り返らざるを得ない・・・

何のために働く?何のためにお金を稼いでいるんだろう?

  • 生きていくのに困らない程度のお金が稼げている
  • 老後資金はとりあえずどうにかなる
  • 家族にお金を残す必要はそれほどなさそうだ

何か一つでも当てはまる人は、この先ずっと今のままのペースで働いていくことの意味を考えるときが来ているのかもしれない。このままお金を稼ぎ続けた先にあるのは何だろう?

  • あのとき一緒にいてあげればよかった
  • 行きたいところがたくさんある
  • 食べたいものがたくさんある
  • 働きすぎて家族の寝顔しか見られない
  • いつか親孝行の真似事もしたい

あの時を振り返って後悔し、いつか、そのうち、子どもが独立したら、退職したら・・・やりたいことを先送りしている間にも、日々自分自身は歳を取っていく。

今を犠牲にしてまで自分が得たいものは何だろう?

この本に記載されているルールは9つ。その中でも、筆者が特に感銘を受けたルールと感想は以下の通りである。

ルール1 「今しかできないこと」に投資する

金をひたすら貯めこんで、いつ、何に使う?金を貯めこんだ代わりに失っているものはなんだろう。その時々の年齢に応じた「今しかできない」経験に金を使うことの必要性について考えさせられた。若いころの経験は投資であり、老後に想い出という配当を生んでくれるのだという。

ルール4 人生最後の日を意識する

人生の最後、つまり死を意識するためのツールがあるという。「死」のカウントダウンアプリだ。平均寿命から逆算して、自分はあと何年生きられるのか?人生の最後の日までに、やりたいことのどれだけ達成することができるだろうか?若いときと歳を取ったときとでは体力が違う。食欲が違う。あと10年で病気で寿命を迎えてしまうとしたら、やりたいことをやれずに終える人生を自分は望んでいるのだろうか。このような考えは持ったことがなかった。

ルール5 子どもには死ぬ「前」に与える

長寿社会の平均寿命を全うできた場合、人生を終えるときに息子・娘はすでに高齢者と呼ばれる年齢になっているだろう。孫すら既に自立しているかもしれない。そのような時に大金を相続してうれしいだろうか。子育て真っ最中の、時間もお金もない時に援助があればどうだろうか。人生を模索している若い時期に、まとまった金があればどれだけの経験をすることができるだろうか。自分が若かった時に、もう少しお金を自由に使っていたら何ができただろうか・・・

ルール7 やりたいことの「賞味期限」を意識する

死ぬ前に後悔することトップ2は、「勇気を出して、もっと自分に忠実に生きればよかった」と「働きすぎなければよかった」だという。筆者自身も中年期にありながら既にこれらトップ2を後悔し始めているではないか・・・

ルール8 45~60歳に資産を取り崩し始める

2024年、日本では新NISAが始まりこれまで投資とは縁遠かった人にも投資が身近になってきた。iDeCoも企業の確定拠出年金も、掛け金を少しでも増やすことを前提にしている制度である。そして年金は高齢者と呼ばれる年齢を迎えると支給され始める。45歳を過ぎるあたりから、多くの人は会社での立場も給料も若いころに比べると上がり、子育ては終わりを迎えてくるだろう。この先、どのようなことに大きくお金がかかるのだろうか。定年退職までお金を貯め続けるのではなく、高齢者と呼ばれる年齢になる前に、自分のために資産を取り崩し始めることはとても大切なことだろう。


ルール8に書かれている45~60歳の方に本著をお勧めしたい。また、真面目にコツコツと生きることを美徳とする日本人にとっては驚くであろうこともたくさん書いてあった。すべての人が同じことをできるわけではないかもしれないが、新しい価値観の発見につながる一冊であろう。

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